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春は出会いと別れの季節です

春は年末年始以上に何かと忙しい季節です。とくに人の出入り。次のステージに進んでいく道場生を見送る寂しさに浸る間もなく、新しい道場生を迎え入れる嬉しさに、毎年この時期は気持ちが乱高下しています。
 出会いは別れの始まりで、一研会という道場の名前は同じでも、その中身は一定期間で入れ替わっていきます。その人にとっての道場の役割が終わればその人は自然と道場から離れていき、また新しく道場に何かを求める人がやって来ます。まさにこれぞ動的平衡で、至って自然なことです。
 しかし、そんなことは理解しつつも、毎年この乱高下に心がやられてしまいます。昔ほど引き摺ることはなくなりましたが、感傷的な気持ちは完全には拭えません。
 そんな時こそ、やはり稽古です。これだけで随分と気持ちは晴れやかになり、『いつか離れるからこそ、この人との一回一回の稽古を大切にしよう』という気持ちにさせられます。