· 

空手の技術は刃物と同じです。

 この春もたくさんの方が一研会に入会してくれました。ありがとうございます。ただ、どうしても気になることがありここに書いておきます。ちなみに道場生にはこの話は定期的にしています。

 気になることと言うのは、組手稽古での稽古態度について。私は基本的に楽しく稽古をするのは賛成です。だからこそ地味な稽古にも楽しく取り組める工夫をしています。競争の要素を取り入れたり、グループで協力してミッションをクリアしたり。みんなで大笑いしながら稽古することも珍しくありません。昨今はどこの道場でもそんな感じだと思います。

 しかし、組手稽古に関してはその限りではありません。組手稽古とは実際に相手と殴り、蹴り合う対人稽古です。危険度は型稽古や腕立て伏せ、ジャンケンリレーなどとは比べものになりません。気を抜けば大けがをすることもあります。

 私は子どもたちにその危険性を説明するときに、空手の技術を包丁やカッターナイフなどの日常で使う刃物に例えます。包丁やカッターナイフはとても便利な道具です。しかし、使い方によっては非常に危険で、その気になれば人を傷つけることもできます。普段の生活でふざけてこれらの刃物を使うでしょうか。お父さんやお母さんから料理を教えてもらっているとき、ふざけて包丁を振り回したら、厳しく叱られることでしょう。

 空手の技術はそれらの刃物と同じです。正しく使えば自分や自分の大切な人を守る武器となります。しかし間違った使い方をすれば大変な事態を招くでしょう。くれぐれも取り扱いに注意をお願いします。